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東方永夜抄外伝 第3話   

2009年 02月 08日

東方永夜抄外伝
永遠亭急襲!!~蓬莱山輝夜を抹殺せよ~
第3話



十六夜咲夜と入れ替わった玉兎が紅魔館でフランドール・スカーレットによって精神そのものを「壊された」頃、別の玉兎が迷いの竹林の永遠亭に向かっていた。
それも一人ではない、十人以上の玉兎の集団だ。
彼らは、十六夜咲夜と入れ替わった玉兎から携帯電話を通じて永遠亭がある場所を知っていた。
彼らの目的はただ一つ、月を裏切った罪人・蓬莱山輝夜を抹殺すること。




「来たわね・・・月の追っ手なんて何百年振りかしら」

輝夜の腹心・八意永琳は永遠亭の周囲に張り巡らせた仕掛けによって、玉兎の集団が接近していることを察知していた。

「いいかげん、あきらめたと思っていたけど・・・甘かったわね」

「師匠!月の追っ手が近づいてきているって本当ですか!」

永琳のいる部屋に、永琳の弟子である鈴仙・優曇華院・イナバが入ってきた。走ってきたのか、既に息があがっている。

「本当よ。あなたは私と一緒に前線に出てもらうわ」

「師匠と一緒ですか!なら楽勝ですね」

「油断しちゃだめよ。まあ玉兎程度なら何人束になってかかってこようと物の数じゃないけど・・・ただ、あまりにも策もなしに数で攻めてくるだけってのが怪しいといえば怪しいわね」

「学習するってことを知らないんですよ、月の住人は。だからいつまでもあんな止まったままの世界なんです・・・って私も元は月の住人ですが」

「そうね、あまり考えていても仕方ないわ。うどんげ、確実に一匹ずつしとめるわよ」

「はい、師匠!」

永琳は愛用の弓と矢を持ち、うどんげを伴って永遠亭の正面の門へと向かった。




一方、永遠亭の主である蓬莱山輝夜は、一人自室に居た。
月の追っ手の襲撃については、先ほど永琳からの報告を受け、知っている。

「・・・ふう。私はただ、自由に生きたいだけなのに・・・いったいあと何百年、こんなことを繰り返さないといけないのかしら・・・」

夜空に浮かぶ満月を見上げ、輝夜は重いため息をついた。




その輝夜を、永遠亭の高い外壁の上から見下ろす一匹の玉兎が居た。

「みつけたぞ・・・月の大罪人、蓬莱山輝夜」



第4話へ続く

by tohotoho2 | 2009-02-08 23:55 | 東方入れ替わり小説

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