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東方星蓮船外伝 霧雨魔理沙と聖白蓮の身体が入れ替わった!!   

2011年 01月 30日

東方星蓮船外伝
霧雨魔理沙と聖白蓮の身体が入れ替わった!!






宝船の異変以来、霧雨魔理沙は命蓮寺の聖白蓮の元を訪ねるようになった。
魔理沙は異変のときに白蓮に会って一目惚れしてしまい、それ以来、寺をよく訪れていた。

自由に時間をとれる魔理沙と違って寺の総責任者である白蓮は基本忙しく、なかなか寺以外のことをする時間はなかったが、それでも白蓮は時間をつくって魔理沙と会うようにしていた。

魔理沙と白蓮が会っているときは、一緒に箒で幻想郷の空を飛んだり、人里に出かけたり、野山を散策したりした。
白蓮は魔法の森の魔理沙宅を訪れることもあったが、泊まったりするようなことはなく、いつも日帰りだった。命蓮寺は出来て間もないため、人里との交流も含めてまだまだやることがたくさんあり、忙しいから、というのが理由だった。

今日も白蓮は、魔理沙宅でしばし魔理沙と一緒の時間を過ごした後、夕方には命蓮寺へと帰っていった。
その姿を見送る魔理沙。

「白蓮……私はもっとあんたと一緒に居たいんだぜ……こうなったら……あの方法を使うしか……」





それから数日後、白蓮はいつものように魔理沙宅を訪れていた。
魔理沙は白蓮にいつものように紅茶を出している。

「魔理沙が淹れてくれる紅茶はいつも美味しいわね」
「えへへ、そうかな、まあ紅茶は淹れ慣れているんだぜ」
「今日のはちょっとだけ味が違うみたい」
「お、お茶っ葉を少し違うのに変えてみたんだぜ!」

急に魔理沙が慌てたような口調になった。

「?どうしたんですか魔理沙?」
「な、なんでもないぜ!私も紅茶いただくとするかな」
「……ん、どうしたのでしょう、急に眠気が……」
「……」
「……すみません、魔理沙、すごく眠くて……」

白蓮はそのまま机に突っ伏して眠ってしまった。
魔理沙は眠ってしまった白蓮を背負って自分の寝室へと運んでいった。




「ん……あら?」

白蓮は目を覚ました。
身を起こしてあたりを見ると、知らない部屋だった。入ったことはないが、魔理沙の寝室だろうと思った。雑然と物が置かれている様子など、雰囲気が魔理沙らしい。

どうやらベッドに寝かされていたらしい。
白蓮はベッドから降りて立ち上がった。そしてすぐに白蓮は自分の身体に違和感があることを感じていた。
ケガをしたわけではない、でも体中から違和感を感じる。
そう思って自分の姿を見ると、なんと白と黒の、魔理沙の服を着ていた。

「これは……魔理沙の服?」

思わず声が出たが、その声も変だった。まるで聞き慣れた、魔理沙の声のようだった。
肩にかかる髪も金髪になっている。

部屋にかかる鏡を覗き込んだとき、疑問は確信に変わった。

「私が……魔理沙になってる?」

鏡に映る白蓮の姿は、霧雨魔理沙そのものだった。

そのとき、扉がガチャリと開いて、外から聖白蓮が入ってきた。

「私?いえ……あなたは、魔理沙ですね」
「そのとおり、私は魔理沙だぜ。眠り薬入りの紅茶で眠ってもらって、この部屋で、身体交換の魔法をかけさせてもったんだぜ」

魔理沙――今は白蓮の身体になっている――は白蓮――今は魔理沙の身体だ――の元へと歩いて近づく。

「私は……寂しかったんだ。白蓮はいつも私と会ってくれるけど、最後は命蓮寺へと帰っていく。私は白蓮と、ずっと一緒に居たいのに」
「魔理沙……あなたは」
「白蓮には帰るべき家がある、でも私にはない!せめて白蓮にはずっと一緒に居てほしいんだ……」

魔理沙の魂が入った白蓮は、両手で自分の身体を包むように抱きしめる。

「だから身体を入れ替えさせてもらった。私になった白蓮は、もう寺に帰ることはできないだろう?私と一緒にずっとここで過ごそう」
「魔理沙……あなたは間違っているわ」

白蓮の魂が入った魔理沙は、そっと白蓮にむかって歩みを進める。

「間違ってなんかいない!こうするしか方法がなかったんだ!」

白蓮は両手をぐっと握りしめ、天井に向かって顔をあげて叫ぶ。
その白蓮を、魔理沙が両手でそっと抱きしめた。

「白蓮……?」
「ごめんなさい、魔理沙に寂しい思いをさせていたわね。私は魔理沙と少しの時間でも一緒に居られるだけで楽しかったのだけど、魔理沙はずっと私と一緒に居たいと思ってくれていたのね」
「そんな……辛そうな顔しないでほしいんだぜ、私の顔で……」
「顔は仕方ないですわ、魔理沙が入れ替えたんですから」
「あはは、そうだった」

魔理沙と白蓮はお互い入れ替わったまま、軽く笑い合った。緊張していた場の空気が、少し緩んでいく。

「魔理沙の姿で一生を過ごせと言われたら、それでも構わないわ。でも、魔理沙は魔理沙の生き方、人生があるでしょう?魔理沙が私の身体で生きていくのは、やっぱり違うと思う」
「うん……身体を入れ替えたのは、ただ白蓮を引き留めたかっただけだったんだ……ははっ、私ってやっぱりガキだな」
「そんなことないですよ。人が人を好きになるのに、子供も大人もないですし、私は魔理沙のこと、好きですよ」
「えっ、白蓮……今なんて」
「魔理沙は私のこと、どう思ってくれているんですか?」
「わ……私も白蓮のことが好きなんだぜ」

白蓮と魔理沙は抱き合ったまま、お互い見つめ合った。

「……自分の顔と声で告白されるのってむずがゆいな」
「私もですわ。魔理沙、この魔法っていつ解けるのかしら」
「朝になったら解けているはずだぜ、これは時間経過で解ける魔法なんだ」
「……じゃあ、今晩は寺には帰ることが出来ないですね。今日は魔理沙の家に泊めてもらうことにしましょう」
「えっ、ほ、本当に!?」

白蓮の顔に、歓喜の笑みが浮かぶ。

「ええ、できれば魔理沙と一緒のベッドで眠らせてくれると嬉しいですね」

魔理沙が、にっこりした笑顔と、穏やかな口調で応える。

二人にとって幸せな夜が、これから始まろうとしていた。




完。



後書き。

白マリが書きたかった。

by tohotoho2 | 2011-01-30 22:29 | 東方入れ替わり小説

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