2009年 01月 21日 ( 1 )   

衝撃!八咫烏に身体を乗っ取られた霊烏路空   

2009年 01月 21日

注!
東方地霊殿の設定に関する独自解釈があります。










東方地霊殿外伝
衝撃!八咫烏に身体を乗っ取られた霊烏路空










ここは幻想郷の遙か下、地底の世界。
ここでは地上から追われた鬼や妖怪が集い、暮らしていた。
太陽の光がないことを除けば比較的平和な世界で、妖怪達も平穏に過ごしていた。
しかしそんな地底世界に危機が訪れようとしていた。
旧地獄跡にある火炎地獄の炎が際限なく強まりだしたのだ。このままでは地底世界すべてが炎に包まれ、地底の住人達も息絶えてしまう。
そこで立ち上がったのが、旧地獄跡で炎の管理を任されていた、一匹の地獄鴉である。名は「霊烏路空(れいうじ うつほ)」。旧地獄跡の地獄鴉の中でも、特に強い力を持ち、その姿は人に近い形になっているほどであった。


「ちょっとお空!どこへ行くの!?」

「お燐、ちょっと地上に行ってくる!」

旧地獄跡で、空は親友の妖怪「火焔猫燐(かえんびょう りん)」に別れの挨拶を告げ、今まさに地上に向けて飛び立とうとしていた。

「地上に行ったからってこの危機を救う方法があるかどうかも分からないじゃない!それに、そんな大事なことならさとり様に相談してからにしなさい!」

燐は勝手な行動をしようとしている空に向かってやや怒り気味に叫んでいた。
地上に行くなんて、それだけで大変なことなのである。燐は親友の空のことが心配だった。

「へーきだって、それに地上には神様がいるらしいじゃない!神様に頼んで、なんとか力を貸してもらってくるよ!」

「ちょっと、お空ーーーーーーーーっっ!待ちなさーーーーーい!!・・・あーあ、行っちゃった。せめて、無事で戻ってきてね・・・」

燐は二股の尻尾を揺らしながら、もう豆粒ほどの大きさになっている、上空の親友の姿をみつめていた。






地上に出た空はすぐに神様に会うことができた。
神様は二人いたが、二人のうち、背中に大きな柱を背負っている神様のほうが、空に力を貸してくれることになった。

「私なら、どんな危機でも乗り越えられる強大な力を与えることができる。その代わり、あなたにはこれから私の命令に従ってもらうわよ」

「はい!なんでもしますから、私に力を貸してください!」

空は地面に頭をつき、土下座をして神様にお願いしていた。

「分かったわ。それじゃ、さっそく儀式を始めましょう。さあ、こっちへ来て」








案内された場所で、空は寝台のような台の上に寝かされた。

「うにゅ・・・神様、これからどうなるんですか?」

「ふふ、大丈夫よ、すぐ終わるから。八咫烏、ここへ」

神様が呼びかけると、一羽の鴉が飛んできた。
人間の子供より大きいぐらいの巨大な鴉だ。よく見ると、足が三本生えている。
「八咫烏(やたがらす)」と呼ばれる、神に匹敵する力を持つ妖怪鴉である。八咫烏は鳴き声をあげたりせず、ただゆっくりと羽を上下させたりしている。

「今からこの八咫烏とあなたを融合させるわ」

「ゆ・・・ゆーごー?」

「合体して、1つになるってことよ」

「うにゅぅっ!?そ、それはちょっと怖いよ・・・」

見ると、八咫烏は感情のない目でこちらをじっと見ている。


「あなたも妖怪なら、他の力ある存在を取り込む術ぐらい知っているでしょう?それに1つになるっていっても、ベースはほとんどあなただから、たぶん姿もほとんど変わらないわ。ほとんど、単にあなたに力を与えるだけっていったほうが正しいかしら」

「うにゅ・・・でもここで私が頑張らなきゃ・・・さとり様や・・・お燐を助けられない・・・」

空はしばらく悩んだ。



「まぁ嫌がっても無理矢理にでも融合させるけどね・・・」

「うにゅ?神様、なにか言った?」

「いいえ、なにも」

神様のつぶやきは小さいものだったため、空にはほとんど聞き取れなかった。



「うにゅ・・・決めた!神様、私やっぱりやる!そこの鴉さんと私を融合させてください!そして私に力を!」

その、空の決意表明を聞いた神様の口の端が、少しだけつり上がったことに、空は気づくことはなかった。

「それじゃあ、決まりだね。さっそく、融合を始めるよ。大丈夫、痛くないし、あっという間に終わるから」

「さとり様、お燐、待ってて・・・私、強くなってすぐに地底に戻るから!」

この後すぐに空は強烈な眠気に襲われ、意識を手放した。








「どうだい、八咫烏。融合後の、新しい身体になった気分は」

「ああ・・・最高だね。こんないい身体を手に入れられるなんて、やっぱり八坂様についてきてよかったぜ」

なにやら話し声が聞こえて、霊烏路空は意識を覚醒させた。
しかし、不思議なことに、身体が全く動かない。まるで金縛りにあったかのように。
いやそれどころか、身体そのものが無いかのような、この異常な喪失感。怖くなった空は、慌てて神様に呼びかけた。

(神様、神様ーーーーーーーーっっ!私、なにか変なんですっっ!!・・・って、あれ、声が・・・出ない?)



「ん、どうした、八咫烏」

「あ、へぇ、どうやら馬鹿な地獄鴉が目覚めたようです」

「やはり意識を完全に消すことまではできなかったか・・・まぁ、核融合の能力を使うことに影響はあるまい。年月が経てば、お前の中のその鴉の意識もそのうち消えるであろう」



「・・・だってさ。おーい聞こえてるか?オレの中の・・・霊烏路、空だっけ?」

(あ、あなた誰?どうして私の声でしゃべってるの!?私はいったいどうなっちゃったの!?)

「ふう、お馬鹿な地獄鴉ちゃんにわかりやすく説明してやろうか。いいか、お前の身体は俺のものになったんだよ」

(・・・え?)

「それで、お前は身体を失って、俺の中にいる。お前がこの霊烏路空の身体を取り戻すことは永遠にない。ははは、どうだ?絶望したか?」

(・・・え、それって・・・そんな・・・まさか・・・!?)

動かない身体、というかそもそも身体の感覚を感じない、周りは見えているのに声さえ出せないこの状況。

(そ、そんな・・・まさか、まさか・・・い、い、いやーーーーーーーーーーーーーーーっっ!わ、私の身体を返して!!)

「ひひひ、もう遅いぜ。俺とお前の身体は細胞レベルで融合しちまったし、お前の意識は完全に俺の支配下にある。どれだけ叫ぼうが、お前は身体を取り戻すなんてできないんだよ」


「ふふ、でもまあ、別に騙したわけではないぞ?こうしてあなた、霊烏路空は核融合という強大な力を得ることができたんだから」

(そ、そんな、神様、でもそれは・・・私じゃない!)

「もう遅いんだよ。今日からは俺が・・・いえ、私が霊烏路空よ」
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by tohotoho2 | 2009-01-21 03:39 | 東方入れ替わり小説