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東方怪綺談外伝 神綺と幽々子の身体が入れ替わった!! 第3話   

2009年 04月 20日

東方怪綺談外伝
神綺と幽々子の身体が入れ替わった!!


第3話






幻想郷でアリスと、幽々子の身体の神綺が親子水入らずの時を過ごしていた頃、一方の魔界では、神綺の身体の幽々子が魔界での生活を謳歌していた。
ただし生活は生活でも、ほぼ食生活のみばかりであったが。

「もぐもぐ、ん~、おいしいっ!魔界の食べ物ってどんなのか興味あったのだけど、こんなに美味しいものだったなんて!もうずっと魔界で居たいぐらいだわ!」
左側頭部あたりで髪を束ねて垂らしている、という特徴的な髪型の、銀髪に赤の服装の女性がほっぺたが落ちそうなほどの緩みきった表情で目の前に置かれた数々の食事を次々と平らげていた。
「幽々子様、その身体は幽々子様の元の亡霊の身体じゃなくて、生きている者の身体なんですから、食べたら食べただけ太りますよ。この世界の食事が美味しいのは概ね同意しますが、あまり食べ過ぎないようにして下さい」
「も~、妖夢ったら心配しすぎよ、これぐらいならまだ腹三分目ぐらいよ」
「はぁ、いえ、そうではなくて……」

妖夢は軽くため息をついた。


幽々子のお供として、白玉楼の庭師、魂魄妖夢もここ、魔界に来ていた。
ちなみに、神綺も妖夢が付き添いで来ていることは知っているし、魔界滞在の許可も与えている。

魔界に来て神綺の身体を得た幽々子がしたことといえば、ひたすら魔界の食事を食べていることだけだった。
ここ、神綺の居城には神綺直属の食事係もいるわけだが、今は妖夢が幽々子の……いや神綺の食事を全て作っている。

「しかし、幽々子様が身体を自由に取り替えることができるなんて初めて知りました」
「もぐもぐ、ふぁら、ふぉうはっははしら?」
「幽々子様、食べながらしゃべるのはやめて下さい」

もぐもぐ、ごっくん。神綺はとりあえず口の中にあったものを全て飲み込んだ。

「ふう、あら、そうだったかしら?そういえば妖夢の前ではしたことがなかったわね。妖忌の代の時は何度かしたことがあったのだけど」
「そうだったんですか。正直、今でもちょとまだ慣れないんですが……」

いつもの服装にエプロン姿、という格好の妖夢はややとまどうような表情で、テーブルの上に新しく作った食事を置いていく。

「そう?私には、そんなにとまどっているようには見えないのだけど」
「そりゃまぁ、私も半分は霊ですから、あまり肉体というものに囚われないのでしょう。でも、自分の主の見た目がある日いきなり変わったら驚きますよ」



だいたい、通常の人間の4~5人分ぐらいの料理を平らげたあたりで、ようやく神綺は箸を置いた。

「だめだわ、もう限界ね。この身体って私より小食みたいね」
「……そりゃ、たいていの世界の人は幽々子様より小食だと思いますよ」

お腹を押さえて休憩モードに入りつつある神綺を横目に、妖夢も調理を終え、エプロンを外して片づけにかかり始めていた。

by tohotoho2 | 2009-04-20 23:47 | 東方入れ替わり小説

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