ゆかてん 『天子、紫をお母さんと呼ぶ』
2010年 01月 05日
天子「ね、ねぇゆかり」
紫「ん?なに、天子?」
天子「あ、あの……その……」
紫「どうしたの?言いたいこと言わないなんてあなたらしくもない」
天子「わ、私だって恥ずかしくて言えないことぐらいあるのよ!」
紫「恥ずかしいことってどんなこと?私にも言えないことなのかしら?」
天子「それは……そうじゃなくて……紫に聞いてほしいことなんだけど……」
紫「天子、私に言いたいことがあるならなんでも言っていいのよ」
天子「えっと……その……お母さん……」
紫「え?」
天子「ゆっ、ゆかりのこと、お母さんって呼んでもいいっ!?」
はぁはぁ。
大声を出したため、天子は荒い息を吐いている。
天子「だ、ダメならいいのよ、さっき言ったことは忘れて……」
紫「ん、そうじゃないのよ、天子がそう呼びたいのなら、そう呼んでいいわ。でも……」
天子「でも?」
紫「私は天子と恋人同士だと思っていたけど、天子は私を母親代わりだとしか見ていなかったのかなぁって思ったら、ちょっとだけ気持ちが沈んじゃって」
天子「あっ、そ、そうじゃないのよ。私も紫のことは……好きよ。対等に、恋人として。でも、ゆかりのこと、お母さんって呼んでもみたくなったの。気を悪くしたなら、ごめんなさい」
紫「ふふふ、いいのよ、私だって怒っているわけじゃない。いいわよ、お母さんって呼んでも。あなたの母親として、たっぷり甘えさせてあげるから」
天子「うん……ゆか、お、おかあ……さん」
そういって天子は紫の胸に飛び込んだ。
紫は両手を広げて天子を受け止め、そのままぎゅっと優しく抱きしめた。
by tohotoho2 | 2010-01-05 05:05