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東方妖々夢外伝 リリカ・プリズムリバーとミスティア・ローレライの身体が入れ替わった!!   

2010年 10月 01日

東方妖々夢外伝
リリカ・プリズムリバーとミスティア・ローレライの身体が入れ替わった!!





プリズムリバー三姉妹。
長女・ルナサはヴァイオリン。
次女・メルランはトランペット。
三女・リリカはキーボード。
三人が一緒に奏でる音楽は、幻想郷の中でも随一のものだ。



プリズムリバー三姉妹の末っ子、リリカは今日は姉二人と一緒におらず、一人でキーボードの練習をしていた。

「ふー、やっぱり私ったら天才ね!これだけの音を出せるんだもん、しばらくは練習しなくてもいいよね」

そういってリリカはキーボードを宙に浮かせたまま、自分は草原に寝ころんだ。

「ふー、ちょっと休憩っと。それにしても私の音楽は完璧だけど……まだなにか足りないのよね」

「うーん、なんだろう~~音楽……音……声……歌……はっ、そうよ!」

リリカはいきなりガバッと飛び起きた。

「歌よ歌!私に足りないものは歌よ!最高の音楽と最高の歌が合わさるとき、私は姉さん二人を超える究極のミュージシャンになっているのよ!」

「とはいえ、私は自慢じゃないけど歌はそんなに上手くないのよね……でも他人に一緒に歌ってもらっても、それは私の手柄じゃないのよね……なにかいい手は……」

リリカがうーんうーんと唸って思案していると、すぐ近くをミスティア・ローレライが屋台を引きながら通りかかった。
ミスティアはリリカがいる方向とは別の方向の道へ進んでいるので、リリカが居ることには気づいていない。

「ミスティアか……白玉楼でのお呼ばれコンサートとかでよく共演して歌もよく聞いているけど、やっぱり歌といえばミスティアよね……おそらくあの子の歌声は幻想郷一……なんとかして、あの子並みの歌声を私も手に入れられないものかしら」


ふと、リリカはある一つの案が思いついた。

「ふふ、そうよね、私は騒霊なんだから……これで私は幻想郷一のミュージシャンよ!さあ、そうと決まったら善は急げよ!」




「そこの夜雀!待ちなさーーーーい!!」

ミスティアが森の中を屋台を引いて歩いていると、茂みの中から突然リリカが飛び出してきた。

「きゃあーーー!私なんか食べても美味しくは……って、あら?リリカさんじゃないですか」

ミスティアは相手が人食い妖怪かと思い慌てふためいたが、相手が知り合いのリリカと分かると安堵のため息をついた。

「さっそくで悪いけどミスティア、あんたの身体と歌声、私がいただくわよ」
「え、うた……ごえ?一体何を……」

ミスティアは言葉の途中で気を失い、パッタリと前向きに倒れてしまう。
続いてなぜかリリカも、その場で崩れ落ちるように倒れてしまう。

一分ぐらい立った後、ミスティアだけが起き上がった。
彼女は手を上に大きく上げ、背伸びをする。

「あ~~、うまくいくかどうか心配だったけど、成功だわ!」

リリカは自分の霊魂をミスティアの体内にもぐりこませ、ミスティアの霊魂を追い出し、そのまま身体を乗っ取ってしまった。
ちなみにミスティアの霊魂は入れ替わりにリリカの体内に入っている。

「あー、あーーー~~、うわ、凄い!普通にしゃべってるだけなのに、声がめちゃくちゃ綺麗!普段の声でこれなら、歌なんか歌ったら……」

ミスティアの身体を乗っ取ったリリカは、試しに簡単な歌を歌ってみた。

「うわーーーー!凄い!なんかちょっと感動して涙出てきちゃった!!本気で凄いわ、この子の歌声……これは、間違いなく天下を取れるわ!!」







リリカがミスティアと自分の身体を入れ替えてから一ヶ月後。
ミスティアの身体のリリカは幻想郷で開かれた第1回歌自慢コンテストで見事優勝。
歌声の美しさは言うに及ばず、歌いながら自ら楽器を演奏したというパフォーマンスも高得点の要員だった。


「みんな、応援してくれてありがとうーーーー!!私、今最高に幸せーーーーーーー!!」

「みすちーおめでとうーーーーー!」
「あたいは最強だけど、歌だったら間違いなくみすちーが最強だよ!」
「せーーーの、ミスティアちゃーーーーーーーん!!」

応援席にはミスティアの友人のルーミアやチルノも来ている。
さらには、この大会で即席に出来た応援団、もといミスティアファンの男たちの声援も飛び交っている。


ステージ上で司会から優勝賞金とトロフィーを受け取りながら、リリカ……いやミスティアはこの世の春を謳歌していた。

(ふふふ……まさかこんな早く夢が実現するなんてね。この歌声と演奏の才能がある限り、私は幻想郷一のミュージシャンよ!もう姉さんたちと一緒に組んで演奏する必要もないんだわ!)

「うふふふ……あーーーーーーーっっはっはっは!!」

あまりの嬉しさに、ミスティアはステージ上で高笑いを挙げていた。




それから次の日。
歌自慢コンテストの結果の事は射命丸文の新聞によって幻想郷中に伝えられた。
ルナサとメルランが住む、プリズムリバー邸にも新聞が届けられた。

「……リリカ臭がする……」
「え、なに姉さん?早くパン食べないと冷めちゃうわよ?」
「……この記事から激しくリリカ臭がするわ」
「え、と、これは……昨日開催していた歌自慢コンテストね。私たちは演奏会があったから出られなかったけど……これがどうしたの?」
「……リリカ臭がすると言っているのよ」
「リリカ臭……なにそれ……それはリリカの体から出ている匂いなの?」
「違うわ、リリカの気配、という意味よ」

(ならそう言えばいいじゃない……)
メルランは姉の持って回った言い方に少し呆れていた。

「このコンテストの優勝者、ミスティア・ローレライ。私たちの演奏会でも何度か共演しているわよね」
「ああ、そうね、たしか歌がとても上手い鳥の妖怪」
「名前はミスティア・ローレライ。たしか、わりと控えめな子だったはず。そんな子が、こんな派手な大会に出て、優勝して、優勝者インタビューでは高笑いまでしている……これはとても怪しいわ」
「そう?私はただのニュース記事にしか見えないけど」
「私もそう思いたいわよ、でもリリカったらもう一ヶ月以上も、音信不通のまま帰ってこないでしょう!?これは異常よ!」
「音楽性の違いじゃないの?ほら、バンドの解散とかでよくそういう理由あるじゃない」
「私たちは姉妹よ!姉妹であるからには、一緒に居て、一緒に音楽をやらないといけないの!」
「そうかなあ、たまには好き勝手やりたいときもあるんじゃない?」
「それならそれで、少しは相談とかしてくれたらいいのに!とにかく、私の姉妹としての絆が告げているわ!この優勝者のミスティアって子は、リリカよ!」
「え~~!?この子が~~!?」

ルナサとメルランはプリズムリバー邸を出て、共にリリカ捜索に乗り出した。

by tohotoho2 | 2010-10-01 21:10 | 東方入れ替わり小説

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