東方風神録外伝 犬走椛と魂魄妖忌の身体が入れ替わった!!
2010年 11月 11日
犬走椛と魂魄妖忌の身体が入れ替わった!!
キィン!
剣が一閃し、火花が散る。
一瞬、交錯した犬走椛と魂魄妖忌は、刀を構えつつ背中合わせに立っていた。
「む、無念……」
椛は苦悶の表情を浮かべ、そのまま倒れてしまう。
「なかなかの手練れだったようじゃが、あと一歩というところじゃったのう」
初老の老人、といった風貌の魂魄妖忌は椛を見下ろしつつ、笑みを浮かべている。
「う……くうっ!」
白狼天狗の椛は倒れてはいるが、血は出ていない。峰打ちだったようだ。
「それでは、勝負に勝ったほうは負けたほうに何でもできる、という条件じゃったな。それじゃ、ワシの好きにさせてもらうぞ」
「う……おねがい、痛くしないで……」
「なにを言っておるんじゃ?ワシはそんなことはせんよ……その代わり、貴公のその身体を貸してもらう」
妖忌がそう言うと、妖忌の傍にいた半霊が椛の口の中に入る。
「ぐぅっ!?」
そしてすぐに、椛の口から同じような霊魂が飛び出し、妖忌の口に入っていく。
「いつつつ……ちょっと、強く打ちすぎたかのう」
椛は妖忌に打たれたところを押さえつつ、立ち上がった。
「え!?なんで私がそこにいるの!?」
妖忌は声をあげて驚いている。
「ワシと貴公の身体を入れ替えさせてもらったのじゃ。ま、しばらく遊ばせてもらったら返すつもりじゃ、それではな!」
そう言って椛は剣と盾を拾ってそのまま妖怪の山へ飛び立ってしまった。
「ええーーーーっっ!!ちょっと待ってよ、こんなお年寄りの身体なんて……いやーーーー!」
妖怪の山の麓に、老人剣士の悲鳴が響き渡っていた。
by tohotoho2 | 2010-11-11 08:14 | 東方入れ替わり小説