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博麗神社例大祭9 「うがつまつき」様 『リバースデイ』   

2012年 05月 31日

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『リバースデイ』
博麗神社例大祭9



例大祭新刊「リバースデイ」サンプル

pixivのサンプルページはこちら。

あさつき堂

作者の「うがつまつき」様のHPはこちら。



本の感想は下↓に。












感想。


例大祭前に予約して、メロンブックスで購入。昨日5月30日に届きました。

うがつまつき様のダーク系作風は好きなのですよ。ほのぼのやギャグ系、お色気系も描かれたりしていて、そういうのもすごく魅力的だったりするのですが!今回の本を読んで、やはりうがつまつき様のダークなお話は良い!と改めて実感するわけです。



少し昔の幻想郷。
慧音は人里の守護者として、特に妖怪については常に目を光らせていた。そんなある日、とある家に女の子が生まれる。しかしその子は生まれながらにして妖怪化している「取り違え子」だった。慧音は、その子の母親に、子供を死なせるよう進言するが、母親はそれを拒否。妖の者であっても、自分の子供として精一杯を愛情を注ぐ。
その子は「るみ」と名付けられ、順調に育つ。が、次第に妖怪としての本能が表に出るようになる。慧音は何度も、るみの母にるみを殺すよう進言するが、やはり母親は聞き入れない。しかし、限界の日はやってきた。
人間の意識が消え、妖怪としての本能だけになったるみは、自分の母親を喰らう。その現場を目撃する慧音。慧音はるみを始末しようとするが、母親が最後までるみの事を案じていたこと思い出し、ついにるみの始末をあきらめた。るみは人里から出て行き、妖怪として生きることとなった。
そして時は流れ。るみはルーミアとなり、妖怪として暮らしていた。人間の時の記憶は、呪符によって封じられている。ルーミアは人間だったころの事は忘れているが、慧音はしっかりるみも母親のことも覚えている。慧音は、るみが妖怪として生まれ変わったその日を、ひそかに誕生日として祝うのであった。

というお話。



うおおお、物悲しい。しかしこのキュンキュンくる暗さ&切なさ&やるせなさ満載なバッドエンドこそがうがつまつき様の作品!
一応、そこまで暗い、救いの無いラストというわけでもないし。人間としてはずっと生きられなかったけど、妖怪としては今も生きている。子にはずっと元気に生き続けてもらいたい、それは親の不変な願いだろうし。形はどうあれ、その願いが叶っている「今」は、なにより「幸せ」な状態なのだろう。


母親も、半分以上妖怪になっちゃっている自分の子をそこまで愛することができるというのも凄い。

ルーミア。名前も外見も西洋風なこの子を、「るみ」というかなり和風……というか日本的な名前にしたのはかなり衝撃。漢字を当てるなら「瑠美」とか?ルーミアの愛称に「るみゃ」があるけど、そこから「るみ」という日本人的な名前は浮かばないなぁ。

るみいい子です!母の愛に恵まれたのもあるし、結果的に慧音という、自分を守ってくれた存在がいてくれたのも大きいし。周囲の環境にかなり恵まれている気がする。

るみが母親を食べる、という展開はちょっと先が読めてしまったかな。まぁ悲劇というのはある程度パターン化されているところもあるし。それでも、見開きで母親のバラバラ死体が散乱しているあの図はかなりショッキング。
それと、病床のるみの部屋のあちこちにベタベタと符が貼られている、あの絵もかなり衝撃でした。


慧音の頭のリボンをただの飾りとしていないところが興味深い。ルーミアの頭のリボンは、慧音のリボンをそのまま使ったのかな?それとも、るみの母親が自分で自作したのかな。
ルーミアがああいう洋服着ていることも理由付けられている。店で見かけた~とか、いきなり設定だけが出てくるので唐突ではあるけど、納得できます。洋服を着るくだりだけでもちょっと切ない。


あとがき。ルーミアのリボンを外して、人間の記憶を蘇らせて、自分の母親を喰ってしまったことを思い出させる。うわー、めっちゃ外道だけど、すっごく見たい!ぜひその部分を漫画して見たい!


慧音とルーミア、そもそも絡んでいる事自体珍しい組み合わせ。そこからこのような話が出来るとは!今回、ストーリー原案は別の方が担当されているみたいですが……。でも良いです!設定がしっかりしているからか、違和感とか強引さとかが無いです。

「先生に……謝っていただくことではありませんから」というるみ。ここの影のある表情とか、いいなぁ。うがつまつき様という感じがします。


ギャグ有りエロ有りもいいけど、やはりダークは良い!るみがいい子すぎてキュンキュン来る可愛さ!慧音の考えも間違っていないと思うけど、善悪を越えたところにあったのは母親の「愛」、という希望を感じさせるテーマがいいですね。グロさもほどよいアクセントでした。
とても楽しめました!何度でも読み返したいです。

by tohotoho2 | 2012-05-31 03:34 | 東方同人誌

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